『不平等論』


不平等は本当に悪なのでしょうか。

 

 

充足性ドクトリン

平等に関しての話し合いは、よく論理ではなく思い込みによる直感によってしまっているところが大きいです。とにかく、経済的不平等は間違っているように思えます。なんとなくで。直感と論理がごちゃごちゃになってしまうことが多い。

 

でもよくよく考えてみると、平等でないことを問題視しているわけではありません。なぜなら、トランプ大統領が僕の何百倍のお金を持っていようが別に何とも思わないですよね。「へえ。」ぐらいなもんです(笑)

でも圧倒的に貧しい人を見たら間違っている気がします。

ということは、僕らが問題視すべきなのは、一概に「不平等」ということではなく、「最低限の経済水準がない」のように思えます。

 

 

でも、どっちにしろ「最低限の水準」を担保するために格差是正をしよう!という話になるわけですが、そうなった時にどっからどれくらいのお金を移動させるか、というルールを決めなくてはいけません。それを決めるのがかなり難しい。

 

まずお金持ち→貧乏にお金を回すのだけれど、どっからがお金もちでどこまでが貧乏か。これはなかなか意見が分かれるところですね。

こういうときの基準は明確に記されることは少なく、地域や状況によってまちまちなのが普通です。ただ、この本を読んで、確かにな~と思った基準がありました。

 

お金の量が十分だと言える状態は、「それ以上のお金があっても不幸さが大幅には減らせない状態」

という決め方です。

 

普通は、十分自分の生活送れてるんだからお前は金持ちだろ!いや、この水準ははたして金持ちなのか…?と議論が錯綜するところを著者はある程度明確に基準を決めてくれています。

 

しかしよくよく考えてみるとこれ、「それ以上のお金があっても不幸さが大幅には減らせない」って…めちゃめちゃ×100裕福じゃないとこれはなかなかない気がしますね。しかももっとよく考えたら、不幸とかは人の価値観に依るものなのでめっちゃ計測するのが大変ですね。

結局この定義でも、やっぱり難しいなー。でも、「お金が十分である」とはどういうことかを考える上で、めちゃめちゃ水準は高そうだ、という示唆を与えてくれています。

 

 

 

 

 

平等と敬意

若干うろ覚えだが、『正義のアイデア』の記事で、主観的には幸福だったとしても客観的に見てどう見ても不幸だったらそれは良しと放っておくのは出来ないだろう!とアマルティアのセンさんが言ってはったということを書いた(気がします)

それは例えば、奴隷の人が超イキイキ毎日楽しそうに奴隷してる、みたいなケースのことだ。寿命は過酷な労働で本来より短くなり、まともな食事にはありつけず、自由時間も制限されている。でも外の世界を知らないからそれが普通だと思っていて幸せに暮らしているという、あくまで思想実験です。

 

センさんは放っておいてはダメだ!なぜならCapabilityを阻害しているからだ、と言いました。

しかし著者は少し立場が違い、「本当に放っておいたらダメか?」と問います。

著者の論理では、ある一つのことが指摘されます。

 

それは、往々にして「平等」と「敬意」の問題が一緒くたにされて議論されている、と。

 

 

本質的なのは「平等」ではなく「敬意」ではないか、というのです。

では、そもそも平等とは何か。敬意とは何か。

 

平等とは、僕らがイメージする通り、“他の人と同じだけ持っている”という状態です。リソースが厚生であれ、機会であれ、お金であれ、他の人と同じだけ持っていることが平等です。

敬意とは、“優劣をつけない”、ということです。

 

 

例えば、年収2億円の人と年収200万の人がいたとします。ここでは年収200万の人はすごいエシカルな人で自らダウンシフトを選び、二居住生活を送って温かい家庭を築いている超イケてる感じの人とします。

 

ですが、経済水準では格差があるため、年収2億の人が「かわいそうだねえ。。。お金分けてあげるよ?」と言ってお金を渡して来たらちょっとウザいですよね。別にお金が全てではないし、今めっちゃ幸せな生活を送っているから別に必要ないと。

 

平等に収入を同じにするのではなく、優劣をつけず敬意をもって相手を認めましょうや、という前提のもと、今の世界ではそういったニュートラルなスタンスではなく、「可哀そうにねえ、、、」みたいな感じでみられるから平等でなくてはならないといった思想が起こりますが、「可哀そうに」思想の方がまともになれば、別に平等性は必要ないのであります(ただし、最低水準を切っており、本人が苦しんでいる場合はもちろん、また別の問題として考える必要があります。ただ、ここで重要なのは、それはまた「別の問題」ということです。)

 

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