『ミレニアル起業家の新モノづくり論』


「ミレニアル」は凄く面白い。なぜなら、それまでの世代と驚くほど価値観が違っていて完全に別の世界を生きているから、そこに変化があるし、刺激があり、チャンスがあると思うからです。

 

 

 

トライブ

この本の主軸になっているのは「トライブ」という概念です。

トライブとは何か。

 

「共通のポリシーやライフスタイル、消費行動を持つ疑似共同体」

 

のことです。たぶん造語。

 

 

コミュニティの形には一般的にゲマインシャフト(血縁地縁共同体)、ゲゼルシャフト(目的共通共同体)という分け方が一般的にはされますが、もう少しやんわりした第三のシャフトという感じですね。

 

例えば、フェアトレード好きな人の集まりだったりとか、Appleユーザの集まりだったりとか、デジタルノマドの集まりだったりとか様々です。

 

ミレニアル世代は、「実用価値」より「思想」に価値を見出すため、これからの時代はトライブが超絶重要になってくると筆者は語っています。

 

企業であれば、今まではとりあえず給料を上げておけばよかったのですが、ミレニアル世代は思想を大事にするので、「この企業のビジョンは何か」「この企業は社会的に良いものなのか」「ここで働くことでなりたい自分に近づけるのか」という基準で会社を見ます。

 

もはや、「会社選び」から「トライブ選び」へとパラダイムがシフトしています。

 

 

トライブは所属する時もあり、自ら創り出す時もあります。創り出す時に重要になってくるのがストーリーテリング能力だと言います。

読んでいて面白いな~と思ったのは、多様性が増してきている現代で、「思想」を大切にするミレニアル世代ですが、よくよく見ると実のところ皆の思考は似通っているとのこと。「これは良い、これがダメ」みたいなことはある程度共通しているんだとか。

地球温暖化を止めようとするのはカッコいい。医学を学んで人を救おうとするのはカッコいい。自分の意見を押し付けようとしてくるやつはダサイ。

誰もが知っている「まあそうだよね」を「刺さる」ように見せられるかどうかが重要ということです。そこでトライブを創ることの成功かどうかの違いが生まれ、それゆえにストーリーテリング能力が重要。

 

 

そして、今までのような「金を稼ぐため」の企業に所属することから、「理想のライフスタイルを実現するため」の企業(この目的下ではトライブです)への所属がマジョリティになっていきます。なぜならミレニアル世代はかなりの人数がいて、これからは世代交代と共に社会の主役がミレニアル世代に移っていくからです。

 

その結果、これからの社会が目指す方向は、「最大多数の最大幸福ではなく、最大少数の最大幸福」になっていくと思う。

これはめちゃめちゃ痺れました。めちゃめちゃ納得です。「最大少数の最大幸福」。多様性がここまで上がって、思想を重要視する人が増えた世界では、画一的に「これが正解だよ!」という事も、「こうしなさい!」とレールをトップダウンで決定することは不可能です。

そうした時の最適解は、トライブ毎の幸せを最大化していくことという事になります。

 

 

 

トライブの見つけ方

トライブという概念を用いることで今とこれからの世の中が理解しやすくなってきます。

ただ、そもそも自分のやりたいことや理想のライフスタイルなんて分からないよ!というのが一般的です。

そこで著者は簡単にステップを示してくれています。

 

  1. 己を知る:人間はパターン化の生き物
  2. 己の快を知る:抽象化能力を高める
  3. 己の快で食っていく:ラベルに騙されるな
  4. 他人の快が分かる:利他的である.トライブへの貢献

 

 

「ラベルに騙されるな」のところだけ補足します。

ここでいうラベルとはかつてはトライブだったものが目的化してしまったもののことです。

 

例えば、かつて「人を救いたい」という想いから医学は始まったが、やがてそこに規制が生まれて医師免許や国家試験が作られ、いつしか「社会的ステータス」があるからとか「稼げるから」みたいな理由で「医者」という肩書だけが重宝される現象です。

 

こう考えるとラベルは世の中にたくさんありますね。

 

 

ここで著者の仲さんが言ってはるのは、

どこの会社とか職種とかのWhatは重要ではなくコロコロ変わってもいい。重要なのはWhyの部分でどういう人生を送りたいか、どういうライフスタイルを築きたいか、という指針を持ってね。

という感じです。

 

時代が変われば時代に合わせてWhatは変わるし、今後の企業の寿命は20年くらいだと言われているのでそのラベルに一生居続けることはありません。

 

己の快を知り、その本質的な快に沿って、何で食っていくか、どのトライブに貢献するかを決めましょう。

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