『寝ながら学べる構造主義』


「構造主義」って何?ってところから読んだけど、さすがに分かりやすい(笑)そして思った以上に深かった構造主義。

権力

ここでいう権力は「はっはっはー私が偉いのだー」的な権力ではありません。ここでは、あらゆるものを分類し、命名し、標準化することを「権力」と言っています。

つまりは、あの人は障がい者、あの人は男、あの人はアメリカ人、といったようにラベリングをすることを権力と言っているわけです。

 

最近、落合さんをはじめとする多くの著名人が「脱近代」的なことをおっしゃられています。

近代の特徴のうち、大きな一つがこの「権力」であるわけです。色々なものを均一化普通化単純化することによって、単純に理解できるようにしてきた。それ自体をフーコー的には「権力」と呼びます。更には、その単純化した概念を用いて、教育や正義の名の下に統治を行ってきたのが近代なので、そういう意味でも近代国家は「権力」を所持していました(います)。

 

つまり”脱近代”というものは”脱権力”ということが大きな首題の一つです。これは複雑なものを複雑なまま受け入れ、もっとダイバーシティを許容する豊かな社会を築いていきましょう、というわけです。

「脱近代」「脱権力」。これは本当に重要なことだと思っています。向こう10年20年の大きなキーワードになると思います。

 

 

人間の本性は贈与にある

社会人類学者のレヴィ=ストロースさんによると、人類は三つのコミュニケーションを行っています。

  • 財貨サービスの交換(経済活動)
  • メッセージの交換(言語活動)
  • 女の交換(親族制度)

財貨とメッセージの交換は分かりますが、興味深いのは女の交換です。

現代社会では近親相姦はご法度とされており、外部の人間を引っ張ってきて結婚し、家族になります。同じ家系ではなく違う家系です。更に交換は双方向性のものだけでなく、一方向の贈与が連続的に行われることで交換するという性質を持っていることもあるとレヴィ=ストロースさんは述べています。

 

ぶっちゃけなんでこの3つの交換が重要かはよく分からないそうです(笑)
ただ、実際にそれが長い歴史の中行われてきたという事実があります。

 

これら3つが時代と場所に関わらずあらゆる状況に当てはまる2つのルールを導き出します。

 

①人間社会は同じ状態でありつづけることは出来ない

絶えず、何かしらの交換や贈与が行われており、普遍なものがこの世の中ではありえません。人間の身体でいう血液の循環のようなものが社会の至る所で起こっています

 

②私たちが欲するものはまず最初に与えなければならない

返報性の原理的に与えることによって何かを得ます。なぜだか分からないけれど私たちは与えられたらそれに応えたいという想いが生まれ、それによって交換が発生する

 

この二つの社会的な原則を習得していくことで、人間を人間たらしめていくそうです。

特に②のことはエーリッヒ・フロムの『愛するということ』でも書かれていた点で、「愛されようと思う前に、まず、愛しなさい。そうすると人に愛されるようになる」というところの思想が一致しています。贈与関係、つまり人とのコミュニケーションはまず自分から相手に与えることがキーなのですね。

 

 

精神分析の目的は症状の真の原因を突き止めることではありません。治すことです。(中略)そして停滞しているコミュニケーションを物語を共有することによって再起動させることそれは精神分析に限らず私たちが他者との人間的共生の可能性を求めるとき常に採用している戦略なのです

カテゴリー:

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です