『アトム通貨で描くコミュニティ・デザイン』


昔、アトム見てたなあ…。めっちゃ好きだった。3ch。アトム通貨はアトムが親しまれてるから成功した側面が大きいらしい。

 

 

 

キーは“4つのテーマ”と“商店街”

アトム通貨は高田馬場らへんを中心に全国で使われている地域通貨です。紙幣型の地域通貨でアトムのキャラクターがプリントされていてかわいい。

 

地域通貨は独自の「コンセプト」や「テーマ」というのがあることが多いですが、アトム通貨の場合はテーマが4つあります。

 

  1. 地域
  2. 環境
  3. 国際
  4. 教育

 

 

この4つのテーマに沿う行動やプロジェクトが評価され、アトム通貨がもらえる対象となります。例えば、お買い物をしたときとかにビニール袋をもらわなかったりするとアトム通貨がもらえます。

日本円で評価するのにちょっと違和感があるものをアトム通貨で評価しています。

 

 

面白いなーと思ったエピソードが、4.教育というテーマにまつわるお話で、最初はテーマに「教育」は入っておらず、あとから足したそうです。

なんか、アトム通貨を運営しているうちに、子供にもアトム通貨あげたい、みたいな感じになることが多くて、子どもにあげる為に無理やり「教育」を足したそうです(笑)

皆でどういうルールがいいか考えて、ちょっとずつ良くしていく、みたいなのはとっても素敵だと思います。

 

4.教育に関して言えば、例えばお使いプロジェクトというのがあるそうです。忙しい親の代わりに子供がお使いに商店に来たら「手伝いして偉いねぇ~」と言って、アトム通貨をあげる。

そこにコミュニケーションが生まれるし、アトム通貨はその地域でしか使えないので、またアトム通貨を使いに商店に来る。そうやってまたその地域でコミュニケーションが生まれるという。イケてます。

 

 

 

アトム通貨は全国に広がっており、運用が成功する支部と失敗する支部があるそうです。その違いは何かというと、

 

商店街をしっかりと巻き込めるか

 

だそうです。商店街を中心に、プロジェクトを進めて行かないと、自発性が生まれず、長続きしないそう。運営する側がやる気でもアトム通貨を使える場である商店街がやる気なかったら、意味ないという当たり前だけで難しい言うは安く行うは難しパターン。

それをちゃんとやれたケースが成功するんですね。

 

 

 

アトムというキャラクター

本書の中で何回も語られるのは、アトムという国民的キャラクターの力です。アトム通貨が他の地域通貨と一線を画すのは、アトムの絵柄がプリントされた紙幣自体にプレミアム価値が付いていることです。

 

普通、地域通貨を運用し始める時は、住民の理解を得ることが難しいです。皆、お金は法定通貨(日本円のこと)しかないと思っているので、「ん?地域通貨?何それ?NANISORE?」という感じでポカーンとなってしまって使ってもらうことが難しいし、それゆえ、広めることが難しいのです。

 

貨幣はある程度、広域で使えないと、あの店でしか使えない、みたいな状態になってしまって不便です。それだとさらに使う人や使える場所が限られてしまって、さらに使う人が減るという負のスパイラルに陥ります。

 

しかしアトム通貨の場合は、何といってもアトムです。アトムが書かれたお金というだけで皆欲しがり、初期段階である程度受け入れられました。

 

運用や拡散にどの地域も苦労する中、これは凄いな~と思いました。個人的には受け入れられるキャラクター、受け入れられるデザインといったものは、一見「細かくね?もっと重要なシステムとかにコストかけた方がいいだろ」って思ってしまうのですが、大事なんですね。

 

地域通貨を回すにはやはり、「どうやってメリットを住民に実感してもらうか」の徹底が一つキーなのかな、と思います。

 

 

 

 

 

本書は、実際にアトム通貨を運用した実体験を記録したようなもので、実際に運用したいみたいな時に役立つ本だな~と思います。

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