『近代とはいかなる時代か?』


現在、創発している社会問題の少なくない数が「近代化」と現代のズレによって起こっていることを考えたらこの本を読んでみたくなった。

 

 

 

モダニティのダイナミズム

を生み出すのは次の3つです。

  1. 時間と空間の分離
  2. 社会システムの脱埋め込み
  3. 社会関係の再帰的秩序化と再秩序化

注目したいのは2.社会システムの脱埋め込みで、これは「蛇口をひねれば水が出るだろう」といった、社会システムへの”信頼”です。別に誰も蛇口をひねったら水が出ますよとは言ってないし、壁紙も貼ってない、でも水が出ると思う、結果出る。この社会システムへの信頼が出来上がったのが近代です。「信号が赤だったらとどの車も止まるだろう」と全員が思い込むから信号渡れるのも一緒。

これは僕らにとっては当たり前のことなんですが、よくよく考えてみると、”水”という生命の根源ともいえるものでさえ、自分で獲得するというより社会(国家)に提供してもらっています。

 

ちなみに3.社会関係の再帰的秩序化と再秩序化は伝統的なものを疑い、再構築するような形の再帰性です。今あるものへのフィードバックに反応して再秩序化します。

 

 

世界は思ってたより複雑だった

世の中の状況を分析して、戦略を考えます。戦略は短期的なものから長期的なものまで幅広くあります。そののち、考えた戦略を実行します。

何か行動、政策を実施するとその行動、政策が世の中に影響を与えます。影響を与えるということは世の中が変わります。

 

そうすると、「あれ?最初分析していた状況と違くね?戦略このままでいいの?」となります。

 

状況を分析して施策を打つ。そしたら状況が変わるからその施策はもはや意味をなさなくなる。この構図はとても単純ですが、打った施策がどことどことどこにどんな影響を与え、それがどことどことどこに影響を与え、その影響が、、、(以下ループ)を予測することなど無理です。人間には無理なのです。それほど世界は複雑です。

 

 

また社会システムのミスの要素にはもう一つ大きなものがあります。意図しない帰結です。

例えば、「経済水準を上げるんだ!!!」と頑張って戦略を立ててきた後に、振り返ってみたら「あれ?木減ってね?氷溶けてね?水汚れてね?」となったのが今です。

 

環境とか盲点だったのですね。気づかんかった。

これは他人事じゃなくて、たぶん今もあるはずなんです。今問題視されていないことで今後問題になっていくこと。僕が想っているのはサルの人権を認めていないこととか、宇宙への影響を考えてないこととか。そもそもそれを計画にいれていないという。盲点だったら計画に入れれない。

 

もう一個の意図しない帰結は、例えば「この政策打ってインフレ起こすぜ!…え⁉逆にデフレになった‼なんで!?!?」みたいなことですね。

 

 

モダニティの制度的特性

最近ずっともっといい感じの資本主義は実現できないのだろうか、と考えていますがその中で資本主義だけ考えていてもあかんなあ、、、と思うことが増えてきました。なぜならその他の制度や状況と実際的にもイデオロギー的にも密接に繋がっているからです。

著者のアンソニー・ギデンズはモダニティの制度特性を大きく4つに分類しています。

  1. 資本主義→ポスト稀少性システム
  2. 産業主義→科学技術への人間性の付与
  3. 監視→多元的な民主的参加
  4. 軍事力→非軍事化

 

 

それぞれ4つの概念とも大事だと思いますが、資本主義→ポスト稀少性について書きます。ちなみに僕はまだポスト稀少性についてちゃんと理解できていないので、また理解した時に更新します(その日は来るのか)

 

計画経済は失敗することが歴史で証明されました(これに対する反論はあり得ます)。また極度の中央集権化は権威主義に結びつきます。権威主義は政府がいい感じに制度や福祉を整えてくれるいい感じにも見えますが、危うさを孕んでいます。

では、小さな政府で市場にまかせましょーう!とすれば格差が開いていくことも現在絶賛証明中です。

 

ポスト稀少性は、まず、トップダウンではなくボトムアップなものであるべきだとしています。背景には、「複雑な世界でトップダウンで指示を出していくなんて無理よ」という思想があります。

そのうえで、世界規模で社会化される経済組織の役割は統制的なことではなく、情報提供的なものとするべきだとしています。例えば、今の国連みたいにトップダウンで指示出すのではなく、ボトムアップで情報を吸い上げ情報をうまいこと流す、と。

 

主要な生活財がもはや不足しなくなれば、市場の尺度は、広範囲に及ぶ剥奪状態を維持する手段としてではなく、もっぱら情報伝達装置として機能することが出来る

 

 

いや、かなり一個一個が深い&説明が少なかったのでこれだけでポスト稀少性の個別具体的な制度設計、効用、メリットデメリットを思考するにはもちろん及びませんが、これを入り口に考えてみることはとても有用です。さらにはギデンズさんが本書内で書いているビジュアルで近代の特徴をまとめているのは非常に理解しやすいので一読おすすめです。

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